KAYOのNY通信

ハイラム・ブロックの追悼公演 ”カッティング・ルーム”にて

９月９日(火）

　Arturo'sのみんなに祝ってもらった私の誕生日に、長年大好きだったギタリスト、ハイラム・ブロックの追悼公演が、２４丁目のカッティング・ルームにて行われました。
http://www.hirambullock.co

　「２４丁目バンド」から、「世界で一番アブナいバンド」まで、すべての今までのハイラムのバンドメンバー、ウイル・リーやランディ・ブレッカーらが集結して、彼の２０枚ほどのCDに納められてる曲をはじから演奏するというものです。実は彼の誕生日は２日後の１１日で、５３歳になるはずでした。　彼が亡くなったのは７月２５日、癌の手術後の回復からほどなく、まさかの急逝でした。きょうも、あのステージの真ん中にいるはずの、エネルギッシュな演奏姿の彼がもうこの世にいないなんて、信じられない。

　私がハイラムと初めて口をきいたのは、ずいぶん前になるけれど彼がArturo'sに立ち寄ったとき。ピアノを弾いてる私のところへとことことやってきて、僕にも弾かせてくれないかな、歌ってもいい？　と。sure!  もちろん。(それを聞きたくて何度ブルーノートやいろんなライブハウスへ通ったことでしょう。）その後、彼が大阪生まれであったりするのを知りました。彼のスタジオで、同じくギターのロン・アフィフなどと一緒に、演奏したこともありました。アーティスト・ビザの推薦状も書いてくれていました。最後に交わした会話は、「最近真剣に音楽やってるね、音にでてるよ」と、言われたことです。長年のファンでもあったハイラムにそういわれたときは、ぐっと来ました。やっぱり天才ははやく死んじゃうのでしょうか、彼の冥福を、心より祈ります。

母の日ブランチ・イン・ハーレム

　５月１１日、日曜日。アメリカでも今日はもちろん「母の日」。たいがいマムやグランマを、おいしいお食事にレストランにご招待します。この日のお仕事はハーレムでも有名な店、「バトン・ルージュ」の、ブランチ（ウエブサイトhttp://www.mobayrestaurant.com/batonrouge/home.htm)。　いつもいいバンドがはいっていて、お食事もちょっと高級なフレンチ・ケイジャンで、定評あり。ブロードウエイ・ショーやゴスペル歌手としてもおなじみの、ボニー・セリアの素晴らしい歌声で、マザーズ・ディを盛り上げます。私のピアノトリオも、フィル・ヤングのドラムとともに、彼女の太くて芯のある、そしてファルセットは可憐な少女のような、あまりにも多様に幅広いテクニックの持ち主である黒人特有のボーカルをサポートします。あっというまの、興奮のうちの４時間でした。もちろん仕事後、このお店のお料理を存分味わわせて頂いたのは言うまでもありません。皆さんの母の日は、いかがでした？

ニッキー・ヒルトンが来てた！

　夕べの仕事は、ミッドタウン５７丁目、５番街近くにあるギャラリー・ビルの一角、JMギャラリーにて、アーティスト・レセプション・パーティーでのトリオ演奏。

　ロシア出身の新進気鋭の女性アーティストが、インドの代表的なお寺、カジュラホを題材に、写真の上に着色をしたもの。一番お手頃なもので＄１２０００。インド大使館の領事はじめ代表のお歴々の来訪、テレビの取材と、事前からちょっと楽しみだったものの、まさかニッキー・ヒルトン（パリス・ヒルトンの妹さん）まで来るとは。ごくふつうにいろんな人たちとおしゃべりして、私たちの音楽で楽しそうにしてました。

シティマラソン

今日はニューヨーク・シティマラソンで演奏してきました。

去年は３万７０００人の選手にエールを送りましたが、今日はもっと選手の数が多かったような気がします。まだデータはでていないので、後ほど正確な数字はでることでしょう。選手たちはスタテン・アイランドを出発、ブルックリンに入り、クイーンズを通過、ブロンクスをぐるっと回って、マンハッタンのセントラル・パーク内に設けられたゴールに向かっているわけです。私のバンドはセントラルパーク近くの２２マイル走り終えた地点での演奏でしたが、あと４．２マイルを残すばかり、それでも、今年もコース脇で応援を盛り上げる私たちに向かっての、選手たちのこぼれるような笑顔見たさの演奏で、とても感動的なひとときでした。