KAYOのNY通信

教会礼拝

１２月３０日（日）

　さて、いまだにクリスマス気分のアメリカ。今日はクリスマスキャロルを含めて、教会礼拝のお仕事です。朝１０時から。ウエストチェスター郡のハーツデイルといえば、あの、伝説のピアニスト、セロニアス・モンクが眠っているところですよね。ハーツデイルまでは、メトロノース・ハーレムラインに乗って約５０分、列車も特急っぽくて、（何というか、お弁当やコーヒーを持って乗っても叱られない感じ）もちろん大好きなアーモンド・クロワッサンとカプチーノを、すばらしくきれいにリノベイトされたグランドセントラル駅構内で、購入してから乗り込みました。空気がおいしい、人々がまったりと暖かい土地柄で、なかなか気分のいい日曜日の朝を迎えました。
　

「フレンチ・レストランのお仕事」

１２月２７日（木）

　ここのところ、パーティ続きで大忙しです。（誤解の無いように。ほとんどが、お仕事です！）しかしよく考えてみれば、パーティがお仕事とは。何という人生でしょう。しかし、きれいに着飾った人たちが、楽しそうに笑顔でからだを動かしてスイングのリズムに乗ってくれてるのを見るのは、実際うれしいものです。
　今晩も、昨晩に引き続き仕事が２件。Arturo'sのあと、今をときめくヒップなダンサブル・エリア、ロウワー・イースト・サイドのコージーなカジュアル・フレンチのお店です。演奏後に、フル・コースのディナーとおいしいワインがごちそうになれるということで、ギャラの額も結構いいのですが、すぐに飛びついてしまいました。（私をご存じの皆さんなら、説明する必要もありませんでしたね）フレンチ・クッキングは昔からだいすきです。しかしニューヨークでは、けっこう高級なところが多いのです。なかなかアフォード出来ません。
　今、２時４０分ＡＭ、やっと家に着きました。くたびれたけど、お料理のおいしかったこと・・・　お店もおっしゃれだし、お店の人はナイスだし、楽しいお仕事でした。お客様からのリクエストがなかなか止まらず、思いっきり遅くなったのでした。でもとても気持ちのいいお仕事でした。

「セシル・マクビーがなんとArturo'sに」

１２月２６日（水）

　日本では山下洋輔氏のニューヨーク・トリオとして、来年結成２０周年を迎えるメンバーの一人、ベースの大御所セシル・マクビーが、私がハウスピアニストを１５年務めるArturo'sで、私が来るのを待っていらした・・・　という驚くべき出来事がきょう、起こりました。　
　実は私のベーシストが５年間彼に師事していて、いよいよその腕前を初めて、師匠が見にやってきた、というわけでした。そのベーシスト自身も驚いていましたが、私もずいぶんうれしくなってしまいました。だって山下洋輔さんは大学卒業以来もう相当長いファンで、東京にいた頃何度もこのＮＹトリオは大きなコンサートを見に行ったことがあります。そのトリオのベースのかたですから。　
　洋輔氏のヨーロッパ（フランスやイタリア公演）での大活躍の様子、台湾公演の模様など、世界でもどんどんと有名になってきていてすごいんだ、と、いろいろ話して下さいました。セシル・マクビーご本人はシャイなかたで、目立つことは嫌いだ、と言われたので、一般のお客様にはアナウンスメントもせず。でも可愛い白人の歌手の奥様が、１曲我々と歌われて楽しそう。おふたりともニコニコして私たちの演奏を２セットとも聴いて帰られました。心あたたまったひとときでした。
　余談ですが、このベーシストのもう一人の師匠は、パティトゥーチです。今度は楽しみに彼を待ってみようと思います。

Private Session Party

１２月２２日（土）
マンハッタン・グラマシーのテナー＆ソプラノサックス奏者、クレイグ・マクゴーリー（ウエブサイトは　http://www.mcgorrymusic.com/live/　、このサイトで彼のＣＤがすぐ聞けます、ピアノは私。）のホリデイ・パーティに参加。出席者はほとんどがここニューヨークでしのぎを削るプロ・ミュージシャンたち。さすが、白人・黒人・アジア人・ラティーノがいりまじって、キョーレツなセッションが夜中まで続きました。

ラリー・ルーシー１００歳バースディ・パーティ

　今日の仕事のあとは、ギタリスト、ローレンス・ルーシー氏の１００歳バースデイパーティへお祝いに行ってきました！このかたは、実際ににあらゆる著名人と、カウント・ベイシー、ビリー・ホリディ、ルイ・アーム・ストロング等々書いていけばきりがありません、往年の日々に演奏されてたギタリストです。会場となったミッドタウンのミュージシャンズ・ユニオンには、ニューヨークのジャズ界の大物たちが、続々つめかけてセッションしていました。（でも今はみ〜んな彼の後輩。）熱心なジャズファンにはこたえられない一夜だったはずです。そしてこのラリーの最後のステディ・ギグが、あの　Arturo's　だったのです。

　そうです、今、私が彼の後続として、演奏している時間帯です。つまり、わたしがこの御大ギタリストの、あとがま、というわけです。　まったくもって名誉なことです。足が悪くなる前には、何度も私の演奏を聴きに来て下さいました。「俺はね、３歳の時、まだ奴隷で、白人のために夜明けから日暮れまで、南部で綿を摘んでいたよ。」そんな話をたくさんしてくれました。アメリカのほんとうの歴史が、この人の目で、わたしに語られました。きょうはバラの花束を持って、お誕生日を祝いに行ってきました。お元気そうで、本当にうれしく思いました。